1. 機械学習

機械学習（machine learning）とは、コンピュータがデータを基に学び、その結果を活用して判断や予測を行う技術です。身近な例として、オンラインショップで「これも好きそう」と関連商品をおすすめされたり、動画共有サービスで興味を持ちそうな動画が提案されたりするのは、機械学習が活用されているからです。また、オンライン地図アプリなどでは、過去の交通データを学習して、渋滞を避ける最適なルートを提示する機能も、機械学習の一例です。このように機械学習は私たちの生活をより便利にしています。

医療分野では、機械学習が診断や治療において大きな役割を果たしています。たとえば、糖尿病患者の血液検査データや生活習慣データを基に、合併症リスクを予測するモデルが作られています。さらに、深層学習（ディープラーニング）を利用して、内視鏡画像や胸部 X 線画像から悪性腫瘍を検出する技術も実用化が進んでいます。こうした機械学習技術は、医師をサポートし、人間だけでは処理しきれない膨大なデータを活用して医療の効率と精度を向上させるツールとなっています。

機械学習を利用して予測モデルを構築するには、大量のデータが必要です。たとえば、糖尿病患者の合併症リスク予測モデルでは、膨大な患者の血液検査データや生活習慣データが収集されます。また、悪性腫瘍の検出には、多数の内視鏡画像や胸部 X 線画像が用いられます。機械（例えば、コンピュータ）は、これらのデータを解析して特徴を見つけ出し、記憶します。この過程を学習（learning）または適合（fitting）といいます。この学習の過程を通じて、機械は新しいデータに対しても予測や判断を行えるようになります。これが「機械学習」の仕組みです。